クリスマスの朝、まだほのぐらい明方に、ジョウが一ばんさきに目をさました。ジョウは、おかあさんとの約束を思いだして、枕の下へ手をさしこみ、小さい赤い表紙の本をひきだしました。それはこの世でもっともすぐれた生活をした人の美しい物語で、よい道案内だと思いました。ジョウは、「クリスマス、おめでとう。」といって、メグを起し、枕の下を見てごらんなさいといいました。ありました。やはり、あかい絵のある緑の表紙の本で、おかあさんの手でみじかい言葉が書かれていました。まもなく、ベスとエミイが目をさまし、枕の下に本を見つけました。一冊は鳩羽色、一冊は空色の表紙でした。みんなは起きなおり、本をながめて話し合いました[#「ました」は底本では「ましに」]が、そのうちに東の空がばら色に染ってきました。
 メグがいいました。

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